お年寄りの対処力
ずっと曇りだったのが午後になって雨が降ってきた。
降ってないときに来院された近所のおばあちゃん。治療を終えて待合室に来てみると外は雨。シルバーカーを押して来院されていた。
「ありゃ、こまったねぇ」とおばあちゃん。
使ってない傘があったので「使って」とオレ。
「いらんわいね、近いんやし」とおばあちゃん。
それでも傘を進めたが、頑として使ってくれない。
ジャンパーのファスナーを首のところまでぎゅっとあげて「このカッパ着とるし大丈夫や」とおばあちゃん。
結局シルバーカーのポケットの中から、なにやら出した。
それはクリーニングに出したとき仕上がったものにかぶせてあるビニールのカバー、おもてが透明のビニールで裏が不織布でできてるヤツだった。
それをささっと手で切り開いて頭にかぶった。
防空ずきんのように。
それも右半分が透明のビニール、
左半分が不織布で不透明。
アゴのところでその端を縛ると
「ありがとね」と言い残してすたすたと雨の中を出て行った。
おそるべし。年寄り。
長生きの秘訣を見た気がした。
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