『代替医療のトリック』


やってくれた!ついに出たぁ~!

サイモン・シンだよ。

鍼は効かないって。科学的に検証したら鍼は効かないって。鍼でなくてもイイって。思いこみで充分同じ効果があるんだって。

はははははは。

楽しいなぁ。

サイモン・シン、愛のないヤツ。

この本は、科学の考え方や良い悪い、効く効かないを科学の目で検証するってことはどういうことかをちゃんと説明して、その上でいろんな代替医療を検証(現在までの研究成果をもとに)している、近年まれに見る良書(笑)。

鍼灸についてここまでちゃんと書かれた一般書はなかった。専門書はどうしても鍼灸の側から書かれているから、公平な評価とはいえない。

この本も実は科学の側から書かれていて鍼灸には冷たいので愛がないと書いたけど(エビデンスのある研究がこの原著が書かれたあとに出ている、それは変形性膝関節症の鍼治療についてのエビデンス)、こんなに批判されるってことは、鍼灸もずいぶん大人になった?社会に認められるようになったんだって思う。

専門書のたぐいで批判的なことが書かれているもののほとんどは流派間の確執であったり、治療法の優劣だった(ま、その治療法どうのこうの以前に鍼灸が効かないって言ってるのが、サイモン・シン)。

内部でとやかく言ってても、国民の医療たり得ないのだから、鍼灸師よしっかりしろよと思っていた。

そこへ黒船登場だ(笑)。心ある鍼灸師はこの本を読んで驚いた。こんなもんが世間に出回ったら流派や治療法どころではない、鍼灸院へ患者が来なくなっちまう。

どんなに上手な先生様でも、患者が「シンキュウキカナイッテホンニカイテアッタ」と認識すれば、来ないって。

それすらわからずに、2000年前の古典を勉強して治療すれば治らぬ病気はないのだぁ~!治らないのは患者が悪いのら~!と思ってるバカがいるのが悲しい。
_ ̄◯
いい機会だから、鍼灸師の大先生たちには鍼灸治療と科学的根拠に基づいた医療の違いを知ってほしいし、世の中が2000年前の中国の医学を必要としているのかどうか、よ~く考えてほしい。

その上で病気を治すことはどういうことかをよ~く考えてほしい。

科学的根拠はもちろん必要だし、プラセボも必要。プラセボの科学的根拠を出せと、サイモン・シンにリクエストしたい。

愛がない。患者が治ろうとする気持ちをもっと大事にすべきだ。科学的根拠だけでは病気は治らないのだ。治療の指針にはなるけどね。

なんでもかんでも銭(ゼニ)で価値を決める今の医療にも問題はあるけれど、鍼灸はきちんと科学的な治療効果判定について考える時期に来てるんだろうね。

コメント

  1. へちがねです。

    http://www.jsam.jp/data/files/geZnhF.pdf

    に(社)全日本鍼灸学会のコメントがのっちょります。

    オレの買ったこの本は、PDF化しようと知り合いの印刷屋に預けてばらしてもらった後、データ化してもらったけんども、余白の多いデータだったのでやり直したのんだんだけど、まだできてきていないので、こりゃ困ったなの状態です。

    どないしょ。

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