おけら祭


6月のおけら祭り
去る6月16日、鍼灸若草塾が開催された。いつもは毎月第2日曜日に開催しているのだが、今回は塾主多留淳文先生のたっての希望で火曜日の夜になった。
前の週に開催された第58回社団法人全日本鍼灸学会学術大会埼玉大会に参加した塾生とディスカッションしたいとのことだった。
この日の塾に参加した塾生は8名。全員が学会に出席していた。
みんなから一言、学会の印象を話してもらい、それに塾主がコメントを入れる。お弁当を食べ、飲める人はビールやお酒を飲みながらの楽しいひとときだった。
開始当初から、テーブルの上にはいろんな箱や仏像、陶器でてきた置物など、所狭しとおかれていた。
頃合いを見計らって塾主から「今から形見分けをするからくじを引きなさい」と。
すでに自分の墓を作り戒名を決め、書館の本の行き先を決めて、その日に備えている塾主。まだ77歳だが、勉強のしすぎ?運動をさぼったせい?(患者さんには運動すれ!ってよくいってたのに)足腰が弱っている。おまけに本の読み過ぎ?で目も悪い。
そんな塾主だから、いきなりの形見分け。
みんな心の中では「こりゃ長生きするなぁ」と思ったに違いない。
で、順にくじを引いていく。九谷焼のセット小皿が当たった人、額装された面が当たった人、陶器でできた七福神の乗った宝船が当たった人、虎の置物、土偶のよう縄間の置物、半分苦笑いなものの数々。
でも、塾主が言うにはそれぞれ有名な作家の作品だとのこと。今はそうでもないけれど、将来はきっと大変な価値が生じるって、どこかの骨董屋の親父の決めぜりふのようなことをおっしゃる(笑)。
オレはセロテープであかないように止めてある箱が当たった。あけようとしたら塾主が「あけちゃらめぇぇぇ〜」?っていう。
「それはハズレだ、君はその誰もアタリを出さなかった仏像を持って行きなさい」と。
ちなみに箱の中は石けん3つ。だったらおくなよ!ってつっこみたくなるけれど、それよりもなんだこの仏像?
身長約50センチ。叩くと中空のよう。黒い下地に砥の粉のような粉がなすりこんであって所々固まっている。持つと手にその粉がつく。
こっちの方がハズレかも?…
仏像と一緒にあった塾主直筆の(悪筆)説明書を見ると、
円空仏、石川県の草月流の支部長清水嶺波先生の作。似せて作ったと、そんなことがかかれてあった。
「ふ〜ん」
優しいお顔してるからいいか。
円空仏は「美の壺」で見て好きだからいいか。本物の方が満面の笑顔だけどね。
嶺波先生作はどちらかって言うと、お地蔵様みたいだ。
大きな声で「ありがとうございます!」と感謝を伝えた。
それからこっそりとだけど、いつも世話になってるからと書籍を2冊いただいた。まだ読んでないので、読んだらブログに感想を書こう。
そうこうしているうちに予定の二時間が過ぎてしまいお開きに。

おけら祭りはどうした?鍼灸の核心についてお話下さるのではなかったのか?

Yahoo!辞書によれば
おけら‐まつり〔をけら‐〕【朮祭/白朮祭】
京都の八坂神社で、大みそかから元旦にかけて行われる祭り。火鑽(ひき)りで点じた火でオケラの根、柳の削り掛けを燃やして、かがり火にする。参詣(さんけい)人はそれを火縄に移して持ち帰り、雑煮を煮る火種とする。《季 新年》

おけら祭りって年末から年始にかけてする行事。何で6月なの。
おけらとは朮のこと。漢方薬の白朮。オレを期外収縮から助けてくれた苓桂朮甘湯にはいってる。
それを炊くと湿気がとれるらしい。だから6月にするんだそう。でもネットで調べると6月のおけら祭りはない。朮の漢方の効果も湿気を取って水分の調整する作用があるから、耳鳴りやめまい、不整脈などに効くって書いてある。

おけらを焚いて(燃やして)なんで湿気が取れるの?科学的に常識的に考えてあほか!って思う。
昔の人はおけらを焚くと湿気が取れるって言う。湿気が多くなると一番困ることは洗濯物が乾かないじゃなくて、カビが発生すること。つまり、おけらを燃やすとカビの発生を抑えるってこと。だから湿気が取れるって表現する。結果、湿気が取れたのと同じ効果が現れるってこと。

塾主はこれが鍼灸治療の核心だという。

感動した。

みんなわかっただろうか。

コメント

人気の投稿