NHKがアイスマンの特集

アルプスの山中で発見された5000年前の凍結ミイラ、エッツィ。

先月24日のNHKスペシャル、昨日のEテレでの特集と大キャンペーン中。

というのも、さきごろこの凍結保存された凍結ミイラを解凍して大々的な調査が行われたからだ。

1989年の北国新聞朝刊にこのミイラが鍼治療していたという記事が載った時には、一大センセーションを巻き起こした。オレを始め数名の中だけのセンセーションだったと思う(笑)。鍼灸界では黙殺されたか無反応だった気がする。

それを大学在学中にお世話になった川喜田教授に知らせたところ、

http://www.meiji-u.ac.jp/faculty/dep_phy3/topic/iceman.html

として、紹介していただいた。

何がセンセーションだったかというと、鍼の起源は中国ではなくヨーロッパだった可能性がこのミイラから推測されるというものだ。

この推測はさきごろから放送されているNHKの番組でも紹介されていた。

鍼治療は2000年前に中国で『黄帝内経』という書物として日の目を見た。

『黄帝内経』は識者が指摘するとおり、いろいろな学派の論文を寄せ集めたものであり、かついろいろな地域の医療をひとつにまとめたものである。

鍼治療はその中の一つとして、また最も先進的医療としてその中心にすえられた。

その起源がヨーロッパにおける刺青治療であり、それは鍼治療というより灸治療に置き換わったのではないか、私はそう考えている。

灸で火傷の跡を付けることは、炭で刺青をする行為と同じではないか。

刺青は針と炭が必要だけど、灸は燃える草と火が必要。灸のほうがより簡単に行なえ、燃える草、つまり艾は火をおこす着火剤としての用途があり、どこの家庭にもひいては旅行中には必ず携帯すべき道具として、またよもぎなどの油分を含んだ多年草はどこにでも生えていて手に入りやすいという利点がある。

鍼と灸と刺青、そしてエッツィ。

推測の域は出ないけれども、どうやら鍼灸治療はその原点を5000年前に訂正しなければならないだろう。

このことを師匠に話したところ師匠は、

「誰に教わらなくても子供作ることはどこの地域でもやってるやろ?ましてや人間だけでなく動物だってしている。こういうことは同時多発的であってヨーロッパに限ったことではない。中国やインドにだってあったはず。証拠が残ってないだけ。」

とまあ、あっさり返されてしまった。でも師匠も起源ヨーロッパ説にはまんざらではない感じだった。

やっぱり鍼灸は楽しい。やっててよかったと思う今日このごろであった。

コメント

人気の投稿