鍼での死亡事故

産経ニュース
はり治療後に女性急死 大阪府警、鍼灸院を家宅捜索
2010.1.9 12:20
 大阪府池田市内の鍼灸(しんきゅう)院で昨年12月、患者の女性=当時(54)=がはり治療を受けた直後に容体が急変し、翌日に死亡していたことが9日、池田署への取材で分かった。池田署は業務上過失致死容疑で鍼灸院を家宅捜索するとともに関係者から事情を聴き、死亡と治療との因果関係を調べている。
 池田署によると、女性は肩こりのために定期的に鍼灸院に通院し、はり治療を受けていた。昨年12月15日午前、女性が鍼灸院ではり治療を受けた後、院内のトイレで倒れているのが見つかった。女性は病院に運ばれたが、翌日に死亡したという。
 司法解剖の結果、女性の死因は呼吸不全などによる低酸素脳症の可能性が高いという。治療ではりが女性の体内に深く入り、肺周辺が傷付けられたことで呼吸不全につながった可能性もあるといい、池田署が詳しく調べている。


それからしばらくして…

asahi.com
無免許の学生がはり治療 肺に傷つき死亡の女性 
大阪2010年1月16日12時48分
. 大阪府池田市の鍼灸(しんきゅう)院で昨年12月、肩こりのため、はり治療を受けた女性(当時54)が死亡した問題で、治療したのははり治療の専門学校に通う20代の男子学生だったことが府警への取材でわかった。学生は柔道整復師の免許を持っていたが、はり師免許は未取得だったという。
 捜査1課によると、院長は「学生が無免許だと知っていたが、はり治療をしているとは知らなかった」と話している。同課は業務上過失致死と、無免許での治療を禁じたあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律違反の疑いがあるとみて、2人から事情を聴いている。
 同課によると、女性は12月15日に治療を受けて体調が悪化し、16日に死亡した。死因は低酸素脳症。女性の肺に複数の傷があり、同課は背中に刺したはりが肺まで届いたとみている。女性は約半年前から複数回、この学生からはり治療を受けたという。

なくなられた方にはお悔やみ申し上げます。

さて、この事故。結局2つ目のニュースにあるとおり無免許の学生が治療して起こしたケースであって、免許を持ってるセンセが起こしたわけではないから鍼灸界は一安心ってことになってる。

その学生はセッコツインで鍼をしたのか。させた責任者はだれなのか。
彼は上司の命令に反論することはできなかったのか。

鍼灸免許を持ったセンセは、絶対にこのような事故を起こさないという確証はあるのか。
事故を予防し、またはもし起きたときの対応についてトレーニングを積んでいるんだろうか。

「ちゃんと勉強して免許を持ってるからダイジョウブ」というのが大半の意見のようだ。
(財)東洋療法研修試験財団の生涯研修を受けて単位を取得し、年間受講証をもらっている都道府県師会が全体の半分にも満たないという現実は、この際さておくのだろうか。

事故は忘れた頃にやってくる。人は必ず事故を起こす。
事故を起こすからこそ、リスクマネージメントや安全管理が必要なのに、我々は何をしているのだろうか。

精神論を振りかざし、言霊信仰を信じなにもしていないではないか。

(社)日本鍼灸師会のホームページにはこの事件に対するコメントが掲載されている。

(社)全日本鍼灸マッサージ師会のそれには、ない。

反応しないのも反応の一つということか。

この際、業界上げて安全対策を徹底する委員会などを作ってはいかがか。


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