10枚以上を無理やり今年のベストテンとする。


今年もいろいろと聞いたけど。

今年のベストテン。

一位から順番に。

1.リンバ・マリンバ・ライヴ・アット・ムサビ/サカキマンゴー&ガジュマル・アンサンブル

過去ブログでも紹介したけど、なにいってんだかわかんない紹介だったので。

武蔵野美術大学で行われた親指ピアノのサカキマンゴーさんと木琴アンサンブルのガジュマル(女性3名)のコンサート。親指ピアノはマリンバとかカリンバとか言われてるアフリカの楽器。本来小さな音なのでサカキマンゴーさんはマイクとエフェクターを介してアンプリファイして出力するからけっこうしっかりした音で聞こえる。元々の音や色のついた音など、音の色彩が豊かになってるけど、ほとんどが楽器本来の音が生きている。そこに木琴の3人が絡んで、ポリリズムと七色のメロディーとGROOVEがくんずほぐれつして、何がなんだか。そこはもう桃源郷さ。

サカキマンゴーさんのオリジナル曲は面白いし、特に最後のタンザニアのトラディショナル曲「ネマムササ」が秀逸。サカキさんの声は井上陽水みたいで風のよう。ひたすら楽しいCDで、初めて聞いたヨメはスワヒリ語の語感がツボったらしく大爆笑していた。その後聞きながら寝ていた。まるで初夏のさわやかな日差しのようなCD。

ガジュマルアンサンブルのおばさま3人のテクニックと、木琴の響きが素晴らしい。買うなら初回限定版を。ライブDVDがついている。叩いて音を作るって、すごく躍動的。わくわくする。例えおばさまであっても。いわゆるヘビロテ。

2.Unity Band/Pat Metheny

1位のCDを聞くまで、これが今年の1位だった。いやはや、すごい。すごいの一言。ジャズの究極じゃないだろうか。4人がそれぞれの思いを込めてメロディーを紡ぎ出している。息が合わないとバラバラの演奏になるだろうが、見事に息があってすごい演奏になっている。特に「シグナルズ」はちんどん装置が厚いリズムを作り、それをカラオケにして4人がそれぞれの楽器で歌をうたう。久しぶりに鳥肌がったった演奏だった。今聞いても意識を持っていかれそうになる。

ジャズはアドリブが命なんて言われて、最近では難しくワケのわからない音の羅列を聞かされるのが多いんだけど( Pat Methenyも昔はそういうところがあった)、この作品ではソロパートではちゃんとメロディーを作っている。昔のジャズには上手にメロディーを作るアーティストがいっぱいいたけど、新伝承派が出てきたからはなんだか小難しくなってきた気がする。それでも60年代頃の作品はインタープレイが素晴らしく、息を呑むような演奏がいっぱいあった。新しいことを追求してるうちにやることがなくなったんだろうか。現在のジャズは昔の焼き直しみたいなものとか、女性アーティストの美しいビジュアルで売ってるようなところとか、なんだか本来の持ち味がなくなってるような気がして、あんまり聞かなくなってたところに、Unity Bandは衝撃だった。年をとったせいか、この濃いいアルバムをヘビロテする元気が無いのが残念。

3.Coup De Grace (Best Of Koop 1997-2007)/Koop

最近知ったスエーデンのクラブ・サウンド系ユニット。女装癖のオカマっぽいあんちゃん2人組で、何人かの人がボーカルとして参加するフォーマットで活動してるよう。女装癖2人は皿回したり楽器演奏したりしてる。で、その不特定なボーカルの中の一人、ユキミ・ナガノさんが歌ってる「Come to me」がツボにはまってしまった。ジャズ本来の楽しさとかノリとか、昔はポップスの一翼を担っていたことを思い出させる演奏と歌。

ゆーつべでみるとユキミさんは面長のなんだか昭和な顔つきの女性で、歌い方や声が古いジャズ・ボーカル、例えばパンチの効かないサラ・ボーン、インフルエンザにかかったエラおばさんぽい。発音が黒人ぽくって、頼りなくって半テンポ遅れて声が出る感じ。コレがいい。最近こんな歌い方する人いないと思うがいかがか。

このCDはベスト・アルバムで、過去数枚出したCDからいいやつだけをコンピしたもの。アマゾンさんで検索かけると過去のCDが出てくるのだが、このベスト盤にほとんど入っていた。あんまり曲出してないってことだ。慌てなくていいから、ボチボチと曲を出して欲しいユニット。新譜は必ず買うからね。

4.数え歌/池田綾子、うたうたいのうた(2010.11.28 パルコ劇場)/池田綾子

アマゾンさんのmp3マーケットに無料配信で出てた曲をテキトーにダウンローして聞いていてハマったアーティスト。今真剣にアルバムをお金を出して買おうか悩んでいる。とにかく声が綺麗で発音が正しい。元少子化担当相の小渕さんに顔が似ている。

好きな声なんてのは聞く人それぞれだ。声を音として捉えるとすごく面白いんだけど、日本語で歌うと歌詞に意味が出てくる。それを聞くと意味を汲み取ろうとしてアタマが考える。考えだすと音の美しさとか響きなんかが忘れがちになる。歌詞の内容より音のほうが大事と思うオレはちょっと変かもしれない。

でも、歌詞なんて大したこと言ってないと思う。好きだ惚れた、気持ちがどうこう。なんだか聞いてると寂しくなる。想像力が掻き立てられるような歌詞が少なくなった。芭蕉の句のように文字から景色が沸き立ってくるような歌詞がないのは大変残念で、日本人が確実にバカになっている証拠だと思う。

以下、会いたくてのコピペ。

会いたくて会いたくて震えるのが西野カナ
会いたくて会えないから私だけを見てほしいのが加藤ミリヤ
会いたくて会いたくて眠れないのが松田聖子
会いたくて会いたくてあなたにいつも笑顔だけ見せてあげられないのがリンドバーグ
会いたくて会えないから私だけを見てほしいのが加藤ミリヤ
会いにきて会いニージューなのがゴーバンズ
会いたくて会いたくて再びあなたに会える夢をみてしまったのが柴田淳
会いたくて会えなくて長すぎる夜に光を探してるのがGLAY
会いたいから会えない夜にはあなたを思うほど Uh UhするのもGLAY
会いたくて会えなくて揺れまどうけれど目覚めた翼は消せないのがラルク
会いたくて会えなくて唇噛み締めるのがEXILE
会いたくて会いたくて涙が止まらない夜なのが岡本真夜
会いたくて会いたくて眠れぬ夜にあなたのぬくもりを思い出すのが松田聖子
会いたくて会いたくて言葉にできないのが小田和正
会いたくて会いたくてせめて声が聞きたくて用もなく電話するのが浜崎あゆみ
会いたくて会えなくて長すぎる夜に光を探しては一人たたずんでいるのがGLAY
会えないから会いたいのが沢田知可子
会いたいのにいつもうまくいかないのがL’Arc-en-Ciel

別に会う必要もないのが宇多田ヒカル

会いたいと思う事が何よりも大切なのが米米CLUB
ただ会いたくてもう切なくて恋しくて涙なのが桑田佳祐
理由もなく会いたいのに理由を探してる会わなければならないのと理由を探してるのが中島みゆき
会いたくて会いたくて君への想い涙そうそうなのがBEGIN
会いたくて会いたくて同じ夢を感じたいのが19
会いたくて会いたくて眠れない夜に夢で会えたらと考えすぎるのがモンゴル800
会いたくて会いたくて再びあなたに会える夢をみてしまったのが柴田淳
会いたくても会えない夜は眠れない部屋に抱かれてるのが伊藤由奈
会いたくても会えない距離は私が選んだ明日なのが北乃きい

会いみてののちのこころにくらぶれば昔はものを思わざりけるのが権中納言敦忠

これ作ったやつ天才。

5.Spending all my time/Perfume、Perfume Global Compilation "LOVE THE WORLD"/Perfume、Spring of Life/Perfume

ドンドン有名になっておっきな箱でコンサートして、アジアに進出して。活躍著しいPerfume。音も活動とともにゴージャスに複雑になって素晴らしい限り。最近の曲を聞いていると、きまって昔の曲が聞きたくなる変な現象。エレワ、セブンス・ヘブンなどなど。

登って行く時の勢いがあった昔は、今の登り切った勢いよりも愛おしい。堂々としてカメラの前に立つ3人は自信に満ち溢れていて輝いている。数年前のポリリズムのヒットを迎える前の高校生3人は、情熱と不安が同居していて、見てるファンを駆り立てる何かを持っていた。もうその当時には戻れないことはわかっている。当時があるから今があることも。そして今も大好きな近未来テクノポップユニット。からだに気をつけて頑張ってと、あたかも親になったような気持ちで3人の活躍を見ている。

6.The Village Vanguard Sessions/Bill Evans

ビレッジ・ヴァンガードでのセッションは2枚のLPで出て、その後CDとして流通していた。「ワルツ・フォー・デビー」と「サンデー・アット・ザ・ビレッジ・ヴァンガード」。これらの音源から漏れたものが別に発売されていたが全てをまとめてCD2枚にしたものがコレ。コレとは別に6000円ほどのコンプリート版がある。購入は検討中。たぶん買わない。コレがあるから。

Unity Band/Pat Methenyに書いたが、このトリオがまさに3人が3通りのメロディーを演奏して一糸乱れぬGROOVEを作り出している。こんなジャズはなかなか聞くことがない。奇跡としかいいようがない。

古くはフィリー・ジョー・ジョーンズの太鼓ががケリーさんのピアノの音と同じぐらいの音量で録音されたのと同じかそれ以上の衝撃だった。6位なのはLP持ってるから。覚えるぐらい聞いとるので。ハイ。

7.TRAD/雨具

白山市在住のカントリーソング系ユニット。流行とか流通とかとは関係のない、好きな音楽を一生懸命してるローカルアーティスト。邪念がないからか音が素直で響いてくる。ご夫婦で演奏してるので息はあってる。ノリもいい。軽くスイングするんだけどちょっとだけ湿っぽいのが北陸っぽくていい。ポップなメロディが全面に出れば売れるはず。頑張って欲しいユニット。

8.由紀さおりの美しき世界/由紀さおり

今、由紀さおりが世界で注目されてるっつーからiTunes Storeでピンク・マルティーニのやつを買おうと思ったんだけど、待て待て、オレは子供の頃由紀さおりの曲を聞くと眠る時間(夜9時頃、歌謡番組のトリでよく歌ってのだろう)と錯覚していたことを思い出して、その当時のベスト盤をダウンローして買った。これこれ。声が若い。演奏が昭和で今聞くとださい。それがいい。

これを聞いたヨメが大爆笑しとった。歌詞の内容がすごいです、ハイ。笑えます。当時は素敵だったはず。子供にはわからんかったけどね。

9.Limba Rock/Sakaki Mango & Limba Train Sound System

サカキマンゴーさんのロックバンド。1位のライブ・アット・ムサビに影響されてアマゾンさんでポチったのが2週間前。悪かない。でもなんか思ってたのとちょっと違う…。イマイチなとき、次はどうする?もう買わないか、もう一枚買ってから判断するか。多分来年買ってるだろうな。これはコレで素敵。

10.Kisses On the Bottom/Paul McCartney、Little Broken Hearts/Norah Jones、ぱみゅぱみゅレボリューション/きゃりーぱみゅぱみゅ、Live/Brian Hughes、Fast Train to a Quiet Place/Brian Hughes

同着10位ということで。

ポール・マッカートニーは70歳。このアルバムはiTunes Storeで購入。思い出の曲を歌ったとのこと。買わなきゃよかった。全然クリエイティブじゃないんだもん。ポールの歌が好き、ポールの声が好きっていう人はどうぞ。買ったってことはオレは声も詩も好きだから。

70歳にして素敵なポップチューンを作ったとか、ノリノリのロックナンバーですってのを期待したらハズレる。子供の時から好きで聞いてた曲を歌いましたっていう、ジジイの昔語り的アルバム。

横を固めるアーティストが名の通った方々なので、その人たちの演奏がもう一つの売り。

ポールもついに焼きが回ったかって思ってしまっtsアルバム。Pat Methenyもひとり語りしとったしなぁ。こういうのってずっと音楽していたらやりたくなるのかなぁ。創作活動疲れるんだろうなぁ、きっと。

ノラちゃんの新譜はカントリー色が少し薄まってファーストアルバムっぽくなってきた。ポップス寄りかジャズ寄りになるといい味が出てくる。リーダー・アルバム全部聞いたけどファーストアルバムが今でも一番いい。

Come Away With Meは山下教授がニューヨークの国際学会に行った際に聞いてよかったと教えてくれたのがきっかけで(2002年?)聞いたのだが、今でも時々聞いてる。アルバムを通しての雰囲気やノラちゃんの声、ピアノの演奏、すべていい。

ジャズか?っていう人もいるけど、ジャンルは問わないでいいんじゃなかろうか。Blue Noteから出てるからジャズの棚においてあるってだけで。このまま、この路線で行ってくれるんだと思っとったら、次のアルバムはカントリーなんだもん。ラビ・シャンカールの娘がカントリー大好きだなんて。あんまりだよ。

さて、この新譜はそんなわけであまり聴きこんじゃいない。アーティストは一年一年変わっていくからこれでいいんだと思う。変わっていかないのもいるけど、それはそれで。

ぱみゅぱみゅはどうなんだろう。今を象徴するアイコンなんだろうけど、音楽を考えるとヤスタカ・マジックで、capsuleもPerfumeのちょっと前の曲もなんだかみんなおんなじで、ポップでわかりやすいメロディがさすがと思わせる。狙ってるんだと思う反面、やっつけ仕事っぽく感じるのはオレがひねくれちゃったからなんだろう。

capsuleのこしこがヘタウマな感じで歌うとぱみゅぱみゅとは違った可愛らしさが出るんじゃね?と思って、是非capsuleでやってほしいけど、ちょっと子供っぽいかもね。あとバカっぽいかも?

Brian Hughesはしばらく忘れてたらアルバムが2枚も出てた、カナダを中心に活躍するsmooth Jazzのギタリスト。Pat Methenyによく似たギターの音色とフレーズ。PatがもうやらなくなったポップでメロディアスなFusion系の音楽をずっと変わらずにやっている。

Patのこむずかしい音楽に疲れるとよく聞いていた。中和剤のような音楽。

今回買ったのはライブ音源とスタジオ録音。久しぶりにあの音が聞けると思って楽しみにして聞いたら、つまらなかった。けっして音楽が悪いわけではなくてオレが変わっちゃったんだ。

最近また別のPat激似を発見した。David Boswell。Windowsってアルバムが出てる。ポチったんだけど、入荷未定ってアマゾン様から返事が来たのでキャンセルした。

紹介した以外にもいろいろ聞いてる。山中千尋のコンサートに行き、MEGの新譜を初回限定版で買い(通常版で良かった…)、Jazzはあれこれと。

一人のアーティストの作品を集中して聞くことがなくなった。Pat Methenyがその最後の人かもしれない。ずっと聞いてると、好きだけじゃなくてキライも出てくる。キライを聴き倒して好きになる場合もあるし、もっとキライになる場合もある。でもトータルで好きなんだから出たらまた買う。

2013年もそんな感じで音楽と付き合いをするだろう。

コメント

  1. ありゃりゃ?2013年の投稿になっちゃってる。間に合わなかったか…。

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