一つ灸


毎年6月1日と7月1日になると石川県と富山県で一つ灸というお灸が行われる。

発祥は富山県氷見市の東泉寺。

そこから分派して高岡市の有名な瑞龍寺、で、金沢市の高源院、今はもうしていない七尾市の龍門寺。

最盛期には四つのお寺で行われていたようだが、今は三つのお寺に減っている。

男は左、女は右の犢鼻(とくび)穴というツボにお灸を据える。三年据え続けると無病息災になるといわれている。

詳しくは師匠が書いた論文「一つ灸-北陸に特有の灸」が鍼灸OSAKA Vol.12 No.3(Aut.)に掲載されてるのでご一読を。

同誌にはオレの書いた論文「ほうろくやいと(呪灸)探訪記」というのもあるので、ご参考までに。

一つ灸の資料を取材しに寺を回らされた。ほんと、したくなかった。師匠に「やれ」と言われて渋々してきたが、

今になって思うと、楽しいフィールドワークだった。

その楽しさがわかったのが「ほうろくやいと~」の調査をしたときだった。

いまじゃ、鍼灸の民俗学的研究は全くしていないけれど、師匠から課題をいただいているので近いうちに再開したいと思う。

佐渡出身だからといって、「佐渡の地機」や「佐渡おけら」を調べされたれてきたけど、今回の課題も佐渡がらみ。

ちなみに地機は足のすねの内側にあるツボの名前なんだけど、「ねまりばた」といって地べたに座って機を織る機械のことも地機って言う。座りばたの前のモデルで、原始的なはた織機。

このねまりばたを探しに佐渡中走り回ったことが懐かしい。

またいつかこのブログで紹介する予定。

一つ灸。来年はいってみたら?

(写真は富山新聞より転載)

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